【個別解説】Wantedly（ウォンテッドリー）は転職サイト？活用術と注意点

あなたは今、「給与や条件だけでなく、企業が持つ熱意や理念に共感できる職場を探したい」と考えていませんか？

従来の転職サイトやエージェントにはない、新しい働き方との出会いを期待して「Wantedly（ウォンテッドリー）」に登録したものの、こんな疑問や不安を抱えていないでしょうか？

• ❌ 「給与や年収が非公開」なのは、本当に大丈夫なのか？ブラック企業の温床ではないか？
• ❌ 「カジュアル面談」とは言うけれど、実際は何を話せば良いのか？選考に進むタイミングは？
• ❌ 登録したら「今の会社に転職活動がバレる」のではないか？
• ❌ 応募から内定まで、他のサイトと比べて「時間がかかりすぎる」のではないか？

Wantedlyは、あなたのキャリアにおける「やりがい」や「成長の可能性」を重視する、非常にユニークなプラットフォームです。しかし、その特性ゆえに、一般的な転職活動とは全く異なる「専用の攻略法」を知らなければ、時間ばかりが過ぎ、納得のいく結果に繋がりません。

特に、多くのユーザーが不安に感じる「給与非公開」というデメリットは、情報収集と交渉の戦略次第で、十分克服可能です。このサービスの真価は、単なる求人情報では見えない企業の「人」や「文化」に触れられる点にあります。

この記事は、Wantedlyを最大限に活用し、あなたの理想とするキャリアを掴み取るための完全なロードマップを提供します。この記事を最後まで読むことで、あなたは以下の強力な武器を手に入れることができます。

• 【メリット/デメリット】「給与が不明瞭」という最大の壁を乗り越えるための具体的な交渉術と対処法がわかる。
• 【賢い使い方】「話を聞きに行く」から内定獲得までの最適なアクションプランとプロフィールの鉄則をマスターできる。
• 【トラブル回避】現職へのバレ防止設定や、応募期間長期化への対策、「やりがい搾取」ではないかを見抜くチェックリストなど、失敗を回避する注意点を網羅。
• 【併用戦略】Wantedlyで「共感」を見つけ、給与に強いエージェントで「条件」を確定させるハイブリッドな転職戦略を学べる。

もう、情報不足や不安に惑わされる必要はありません。Wantedlyの特性を理解し、ルールに沿って賢く活用することで、あなたは待遇だけでなく、心から共感できる理想の仲間と出会い、キャリアを大きく飛躍させることができます。あなたの次の挑戦を、ここから始めましょう。

Wantedly（ウォンテッドリー）とは？一般的な転職サイトとの決定的な違い

Wantedlyは、しばしば「転職サイト」と括られますが、その本質は「ビジネスSNS」と「採用プラットフォーム」を融合させた独自のサービスです。従来の求人広告が「お金」や「待遇」で人を集めるのに対し、Wantedlyは「理念」や「ビジョン」で人と企業を結びつけることを目的としています。

一般的な転職サイトや転職エージェントとの決定的な違いは、サービスの根幹にある採用哲学にあります。この違いを理解することが、Wantedlyを効果的に使いこなすための第一歩となります。

Wantedlyが目指す「共感採用」の定義と仕組み

Wantedlyが掲げるキーワードは「共感採用」です。これは、求職者が企業のミッション、ビジョン、バリューといった「企業のあり方」に共感し、その上で働き方を考えるという採用の形を指します。

具体的には、以下のようなプロセスで採用活動が進みます。

1. 募集記事：企業は募集の背景、仕事内容、働く仲間、会社の雰囲気など、具体的な「ストーリー」を重視した記事を作成します。給与や待遇は原則非公開です。
2. 「話を聞きに行く」：ユーザーは「応募」ではなく、まず「話を聞きに行く」という形でアプローチします。これは多くの場合、企業側と求職者が対等な立場で情報交換を行うカジュアル面談（ミートアップ）を指します。
3. 共感の醸成：カジュアル面談を通じて、求職者は企業理念への共感を深めます。企業側も、プロフィールや面談での熱意から、自社とのカルチャーフィット度を測ります。
4. 本選考への移行：双方の共感レベルが高まった段階で、初めて具体的な選考（履歴書提出、正式応募）へと移行します。

給与・福利厚生を非公開にする理由とユーザーが最初に得るメリット

Wantedlyの最大の特徴であり、多くのユーザーが不安に感じる点が「給与・福利厚生の非公開」です。これは、Wantedlyが単なる「条件マッチング」ではなく、「動機（Why）」ベースでのマッチングを最優先しているからです。

なぜ給与を非公開にするのか？企業の狙い

• 純粋な動機付け：求職者に「給与が高いから」ではなく、「この仕事、この企業で働きたいから」という内発的な動機でアプローチしてほしいという企業側の強いメッセージです。
• 応募のハードルを下げる：初めから条件を公開しないことで、気軽に「話を聞きに行く」というアクションを促し、企業と求職者がまず人間的な接点を持つ機会を増やします。
• 年収交渉の柔軟性：企業側も応募者のスキルセットや市場価値をカジュアル面談で見極めた上で、最適な年収を提示したいという意図があります。

ユーザーが最初に享受できる「給与非公開」のメリット

一見デメリットに見えるこの非公開ルールですが、実はユーザー側にも以下のような大きなメリットがあります。

1. 情報収集の敷居が低い：履歴書や職務経歴書なしで「話を聞きに行く」ことができるため、転職意欲が低い段階でも気軽に情報収集や業界研究ができます。
2. 多様な企業との接点：年収フィルターに引っかからないため、自身のスキルが活かせる、今まで知らなかったユニークな企業と出会う機会が増えます。
3. 企業文化の深掘り：給与に惑わされず、本当にその企業のミッションや働き方に共感できるかを冷静に見極める時間を確保できます。

ただし、最終的な転職の決め手は当然ながら給与や待遇です。このデメリットを克服するための具体的な交渉戦略は、「【重要】Wantedly利用時に発生しやすいトラブルと4つの注意点」のセクションで詳細に解説します。

Wantedlyの主な利用者層と掲載企業の特徴（ベンチャー・スタートアップ中心）

Wantedlyが最も真価を発揮するのは、どのようなユーザーと企業が集まっているかを知ることにあります。

ユーザー（求職者）の主な特徴

Wantedlyの利用者の中心は、20代後半から30代前半の若手〜中堅層で、以下のような志向性を持つ人が特に多い傾向があります。

• 成長志向が高い：大手よりも、自分の裁量が大きく、急成長する環境で働きたいと考える人。
• 価値観重視：企業の理念やビジョンに共感できるかを、年収と同等かそれ以上に重視する人。
• IT/Web系スキル：エンジニア、デザイナー、Webマーケターなど、専門性の高いスキルを持つ人。

掲載企業の特徴：ベンチャー・スタートアップが約8割

Wantedlyに掲載されている企業の約80%は、従業員数が100名未満のベンチャー・スタートアップです。この傾向から、サービスが向いている企業と向いていない企業が明確に分かれます。

もしあなたが、「給与の安定」や「ネームバリュー」を最優先で考えるのであれば、リクナビNEXTやdodaのような総合転職サイトや、専門特化した転職エージェントの利用も視野に入れる必要があります。Wantedlyは、あくまで「企業の中身を見てから、自分のキャリアを考えたい」と考える人に最適な、ニッチで強力なツールであることを理解しておきましょう。

【正直な評判】Wantedlyを使うメリットとデメリットを徹底解説

Wantedlyが従来の転職サイトと根本的に異なる採用哲学を持っていることは理解できました。しかし、実際のユーザーはWantedlyをどのように評価しているのでしょうか？ここでは、インターネット上のリアルな口コミや評判を分析し、あなたがWantedlyを使うことの具体的なメリットと、見過ごせないデメリットを公平に解説します。

Wantedlyの最大のメリット：カジュアル面談と企業のリアルな雰囲気がわかる点

Wantedlyの評判を分析すると、多くのユーザーが最も高く評価しているのが、「気軽さと深さ」を両立した情報収集ができる点です。これは「カジュアル面談（話を聞きに行く）」という仕組みがもたらす最大の利点です。

Wantedlyの最大のデメリット：給与・年収情報が不明瞭なことへの対処法

Wantedly利用者の間で最も懸念の声が上がるのが、前述した「給与や待遇の非公開」です。これは、転職の目的が「年収アップ」や「安定した福利厚生」にあるユーザーにとっては、致命的なデメリットになり得ます。

【具体的な対処法】年収をカジュアル面談で確認する方法

デメリットを克服するためには、給与に関する情報を適切なタイミングで引き出す戦略が不可欠です。カジュアル面談の場でいきなり「給料はいくらですか？」と聞くのはマナー違反とされますが、以下の質問であれば相手に不快感を与えずに情報を引き出せます。

1. 「貴社の報酬制度の考え方」に関する質問：「貴社では、どのような基準で評価や昇給が決まるのでしょうか？成果主義ですか？それとも年功序列の側面もありますか？」
2. 「求めるスキルレベルと報酬レンジ」に関する質問：「私がプロフィールで記載している経験やスキルを持つ方に対し、過去の採用実績ではどの程度の報酬レンジでオファーを出されていますか？」
3. 「次の選考フェーズ」に関する質問：「今後、正式に応募を進める場合、具体的な年収についてお話しできるのはどの段階になりますか？」

この「給与交渉と情報収集のタイミング」については、「【重要】Wantedly利用時に発生しやすいトラブルと4つの注意点」でより詳細なテクニックを解説します。

『使ってよかった』派と『時間がかかった』派の口コミから見える利用者の本音

Wantedlyの利用者の評判は二極化する傾向にあります。この二つの意見の違いから、あなたがWantedlyを使うべきかどうかの判断基準が見えてきます。

『使ってよかった』派の意見（成功者の特徴）

成功者や高評価ユーザーに共通するのは、「年収を最優先していなかった」または「自分の市場価値を理解していた」点です。

「大手からの転職で年収は下がったが、 Wantedlyで出会ったスタートアップの理念に心から共感できた。現場の人と深く話せたおかげで、入社後のギャップが全くなく、今とてもやりがいを感じている。」（30代・Webエンジニア）

「エージェントでは紹介されないようなユニークな会社や職種に出会えたのが良かった。カジュアル面談を重ねた結果、自分の求める働き方が明確になり、結果的に満足できる転職ができた。」（20代・マーケター）

→ 成功者は、Wantedlyを「企業理念とカルチャーの確認ツール」として活用し、年収交渉は選考の後半でしっかりと行っています。

『時間がかかった』派の意見（失敗しがちな人の特徴）

一方で、不満を抱くユーザーは、「短期間で転職を完了したい」または「年収アップが最大の目標」である人が多いです。

「カジュアル面談ばかりで時間がかかり、結局、給与が合わずに辞退することが多かった。年収を最優先するなら、最初からエージェントを使うべきだった。」（30代・営業職）

「プロフィールをしっかり作ったのに、ほとんどスカウトが来なかった。掲載企業もベンチャーばかりで、自分の希望する大手企業は少なかった。」（20代・事務職）

→ 失敗しがちな人は、Wantedlyの特性を理解せず、一般的な転職サイトと同じ使い方をしてしまっています。Wantedlyは、短期間での内定獲得には向かず、また大手企業の求人も限定的です。

結論として、Wantedlyは使い方を間違えなければ非常に強力なツールですが、あなたの転職の優先順位（理念 vs 年収）によって、その評価は大きく変わります。次のセクションでは、この強力なツールを最大限に活かすための具体的な「賢い使い方」を解説します。

Wantedlyの「賢い使い方」ロードマップ：応募・スカウト・面談のコツ

Wantedlyが「共感」を軸としたプラットフォームである以上、従来の履歴書を送りつけるだけの転職活動とは全く異なる戦略が必要です。ここでは、「共感」を最大限に引き出し、効率よく内定に繋げるための、Wantedly専用のロードマップを解説します。

成功の鍵は、自己表現の場である「プロフィール」と、企業との接点である「カジュアル面談」に集約されます。

プロフィールを充実させるための鉄則：仕事への価値観・熱意の伝え方

Wantedlyにおけるあなたのプロフィールは、単なる職務経歴書ではありません。これは、あなたの「仕事への熱意」や「未来志向の価値観」を伝えるためのポートフォリオです。企業側は、ここに書かれた内容を読んで「この人と一度話してみたい」と感じるかどうかを判断します。

Wantedlyプロフィール作成の3つの鉄則（W.W.Hの法則）

1. 【W】Will（やりたいこと）：「次の職場で何を成し遂げたいか」を具体的に記述してください。これは最も重要な項目です。「ただスキルを活かしたい」ではなく、「〇〇という課題を、自分の持つ△△のスキルで解決し、事業を□□に成長させたい」といった未来のビジョンを語りましょう。
2. 【W】Why（なぜそれをやるのか）：過去の経験から、その「Will」が生まれた背景や、仕事において譲れない「価値観」を言語化してください。企業はあなたの動機に共感したいのです。
3. 【H】Have（できること/実績）：経験やスキルを記載する際は、必ず具体的な成果（数値）を添えてください。例えば、「売上を15%向上させた」「業務時間を20%削減するシステムを導入した」など、ビジネスインパクトを明確に伝えましょう。

企業からのスカウト・メッセージを増やすための効果的なアクション

Wantedlyは「待ち」のスカウトだけでなく、「攻め」の行動がスカウトの質と量を大きく左右します。企業側から「ぜひ話を聞いてほしい」と思われる状態を作るための具体的なアクションを解説します。

1. 「ウォンテッド」数を増やす：企業の注目を集める方法

Wantedlyには、興味のある募集記事に対して「応援」または「話を聞きに行く」というボタンがあります。特に「応援」は、その企業の求人に興味があることを企業側に通知する機能です。

• 興味のある企業を徹底的にフォロー：募集記事だけでなく、企業の公式ストーリーにも「応援」や「スキ」を押しましょう。これにより、企業があなたのプロフィールをチェックする可能性が高まります。
• 毎日ログインとアクティブ率の維持：プラットフォームのアルゴリズムは、ログイン頻度が高いユーザーを優先的に企業側に表示する傾向があります。毎日数分でも良いので、ログインして企業の動向をチェックしましょう。

2. 「募集記事へのコメント」で熱意を伝える

企業は、単にボタンを押すだけでなく、「なぜ自社に興味を持ったのか」という具体的な熱意を知りたいと考えています。

メッセージを送る際（「話を聞きに行く」または企業からのスカウトへの返信時）は、以下の要素を盛り込み、テンプレートではないオリジナリティを伝えましょう。

1. 共感の具体的なポイント：「貴社の『〇〇（ビジョン）』の考えに強く共感しました。特に△△という点で、自分の価値観と一致すると感じています。」
2. 貢献意欲：「自分の持つ□□というスキルが、貴社が募集しているポジションの課題解決に貢献できるのではないかと感じ、ぜひ一度お話しさせてください。」

応募から「話を聞きに行く」までの流れと、カジュアル面談を成功させるための準備

「話を聞きに行く」というアクションは、一般的な転職の「書類選考」に代わる、Wantedly特有のファーストステップです。この面談を成功させ、本選考へのスムーズな移行を目指すための流れと準備を徹底します。

ステップ1：応募後の流れと企業からの返信

「話を聞きに行く」ボタンを押した後、企業側はあなたのプロフィールとメッセージを確認し、面談に進めるかどうかを判断します。

企業からの返信がない場合、それは「プロフィールやメッセージが企業の求める人物像と合致しなかった」ことを意味します。メッセージ送信後、1週間以内に返信がない場合は、その企業は諦めて次へと進むのが効率的です。

ステップ2：カジュアル面談を成功させるための準備

カジュアル面談は、お互いを知る場ですが、企業側はすでにあなたの「熱意」と「カルチャーフィット度」をチェックしています。成功のためには徹底的な事前準備が欠かせません。

• 【企業研究の深掘り】企業の募集記事だけでなく、Wantedly内の「ストーリー（ブログ）」を最低5つ以上読み込み、企業の文化、メンバーの考え方、直近の事業トピックを把握してください。
• 【質問リストの作成】「ホームページを見ればわかる質問」は厳禁です。「ストーリー」や募集記事を読んだ上で、「中の人にしか答えられない、一歩踏み込んだ質問」を3〜5個用意しましょう。（例: 「記事にあった〇〇のプロジェクトで、最も苦労された点は何ですか？」「御社の『自律性』というバリューは、具体的にどのような場面で発揮されていますか？」）
• 【服装の注意点】カジュアル面談であっても、極端な軽装は避けるべきです。服装は「ビジネスカジュアル」を基本とし、企業の雰囲気に合わせて調整しましょう。
• 【自己紹介の準備】単なる経歴の説明ではなく、「なぜWantedlyで貴社に興味を持ったのか」という動機に焦点を当てた、1〜2分で終わる自己紹介を用意しましょう。

ステップ3：面談後のフォローアップと本選考への移行

面談で企業の理念に強く共感し、「この会社で働きたい」と感じたら、その熱意をすぐに伝えましょう。

• 御礼メールは即日：面談終了後、その日のうちに御礼のメールを送りましょう。単なる定型文ではなく、面談で話した内容（共感したポイントや、自分の貢献可能性）を具体的に言及すると効果的です。
• 本選考の意思表示：御礼メールで「面談を通じて貴社の〇〇という事業に改めて強い魅力を感じました。ぜひ、正式な選考に進ませていただきたいです」と明確に意思を伝えましょう。

この「共感→話を聞く→選考へ移行」というプロセスが、Wantedlyでの成功を左右します。特に準備を怠らず、企業に対する「本気度」と「理念への共感」を伝えることが、あなたの転職活動を前進させる最も賢い方法です。

【重要】Wantedly利用時に発生しやすいトラブルと4つの注意点

Wantedlyは「理念共感」という点で非常に優れたプラットフォームですが、従来の転職活動の常識が通用しないゆえに、ユーザーが戸惑い、失敗に繋がりやすい特有の落とし穴が存在します。ここでは、あなたが時間と労力を無駄にしないために、特に注意すべき4つのポイントとその回避策を網羅的に解説します。

注意点1：年収交渉を後回しにしないための適切なタイミングと交渉術

Wantedlyのデメリットの最大要因である「給与非公開」問題を解決するには、年収に関する情報を「選考に入る前」に、かつ「明確な数字」で引き出す戦略が必要です。

年収交渉を行うべき適切なタイミング

「カジュアル面談」の場は、企業側があなたのスキルセットや熱意を評価し始める最初の機会です。年収について話すのは、以下の2つのタイミングがベストです。

1. カジュアル面談の終盤：面談で企業のミッションと自分のスキルがフィットすると確信した後、「正式に応募を検討するにあたり」という形で、前述した「報酬レンジ」に関する質問をします。
2. 本選考の1次面接終了後：カジュアル面談後に本選考に進む意思を伝えた際、企業側から「希望年収」を聞かれるのが一般的です。この段階で初めて、具体的な希望額と根拠を伝えるのが最も効率的です。

年収交渉を成功させるための具体的な交渉術

ベンチャー・スタートアップが多いWantedlyでは、年収は固定ではなく、あなたの貢献度や市場価値に基づいて柔軟に決定される傾向があります。

• 希望年収の根拠を明確にする：単に「いくら欲しい」ではなく、「前職で〇〇という成果を出したため、市場価値は△△万円だと認識している」と、自分のスキル・実績を年収に結びつけて語れるように準備しましょう。
• ストックオプションやその他のインセンティブに注目する：スタートアップの場合、基本給が低くても、ストックオプションや業績連動賞与といった将来的なリターンが大きいケースがあります。これらを含めたトータルの報酬体系で評価する視点を持ちましょう。
• 年収レンジの下限と上限を聞く：「私のスキルと経験で、御社で実現可能な年収の下限と上限を教えていただけますか？」と聞くことで、企業側の評価基準と自分の期待値のギャップを埋めることができます。

注意点2：現在の職場に転職活動がバレるリスクとその回避設定（企業ブロック機能）

WantedlyはビジネスSNSの側面を持つため、意図せず現職の同僚や上司に転職活動を知られてしまうリスクがあります。しかし、Wantedlyにはこのリスクをゼロに近づけるための強力なプライバシー保護機能が実装されています。

「企業ブロック機能」によるバレ防止策の徹底

Wantedlyの「企業ブロック機能」は、特定の企業に対してあなたのプロフィールを非公開にする設定です。

1. 現職の企業名を登録する：現在所属している企業の名称（親会社やグループ会社も含む）をブロックリストに登録しましょう。これにより、現職の採用担当者や社員があなたのプロフィールを閲覧したり、スカウトを送ったりすることができなくなります。
2. 競合他社や関係性の深い企業も登録する：現職とは直接関係がなくても、取引先、主要な競合他社、現職の経営層が関わる企業などもブロック対象に含めることを強く推奨します。
3. 氏名非公開設定：プロフィール設定で、あなたの本名が企業に公開されるタイミングを「話を聞きに行く段階以降」に設定しましょう。カジュアルな情報収集段階では、本名がバレるリスクを最小限に抑えられます。

注意点3：応募から内定までの時間が長期化しやすい理由と対策

Wantedlyでの転職活動は、一般的なエージェント経由の転職活動（平均2〜3ヶ月）と比較して、期間が長期化しやすい傾向があります。これは、Wantedlyの「共感採用」の特性が原因です。

長期化の理由（平均4ヶ月以上の長期戦を覚悟する）

• カジュアル面談の多さ：正式な選考に入るまでに、人事、現場リーダー、事業責任者など、複数の人とカジュアル面談を重ねる企業が多いです。これにより、1社あたりの選考期間が長引く傾向があります。
• 選考プロセスの柔軟性：企業側も「いい人がいれば採用したい」というスタンスのため、採用プロセスが定型化されておらず、選考ステップが急に増えるなど、進行が不透明になりやすいです。
• 応募者の低転職意欲：Wantedly利用者は転職意欲が低い層も含まれるため、企業側も即戦力として期待しすぎず、じっくりと関係性を築こうとする傾向があります。

短期決着を目指すための対策

効率よく進めるためには、以下の施策を並行して行いましょう。

• 同時進行の数を増やす：カジュアル面談は気楽に行えるため、常に5〜8社程度と同時進行で話を聞きに行く状態を維持しましょう。これにより、一つの企業に依存するリスクを減らせます。
• 期限を明確に伝える：カジュアル面談や選考の場で、「年内に転職を完了させたい」「〇月までには次のキャリアを決めたい」といった自身のタイムラインを正直に伝え、企業側のスピード感を引き上げましょう。
• 本選考への移行を打診する：カジュアル面談が3回以上続いたら、「選考に進む意思があります。次のステップ（履歴書提出や正式な面接）はいつ頃を予定されていますか？」と、あなたの方から次のアクションを促す積極性を見せることが重要です。

注意点4：「やりがい搾取」ではないか？企業文化を慎重に見極めるチェックリスト

理念やビジョンを強く押し出す企業の中には、不当に低い給与や劣悪な労働環境を「やりがい」や「成長」という言葉で覆い隠そうとする、いわゆる「やりがい搾取」のリスクを抱える企業も存在します。

危険なサインを見抜くためのチェックリスト（カジュアル面談で確認）

カジュアル面談では、企業側の「熱意」だけでなく、その熱意の裏側にある「持続可能性」と「透明性」を冷静にチェックしましょう。

本当に成長できる優良企業は、やりがいと同時に、生活を支えるための適切な報酬と透明性の高い評価制度を整備しています。カジュアル面談は、あなたの疑問や懸念を解消するための場です。チェックリストの項目について、臆せず質問をぶつけ、回答の具体性と誠実さを見極めることが、失敗しないための鍵となります。

Wantedlyをサブツールとして最大限に活かす併用戦略

Wantedlyは、あなたのキャリアにおける「やりがい」や「共感」といった定性的な価値を見つける上で、他の追随を許さない強力なプラットフォームです。しかし、その特性上、「給与」や「福利厚生」といった定量的かつ条件的な情報の収集や交渉においては、他のツールに一日の長があります。

転職活動の成功率を最大化するには、Wantedlyをメインツールとしてではなく、「サブツール（情報収集・動機付けのツール）」として位置づけ、他のプロフェッショナルな転職サービスと戦略的に「併用」することが、最も賢いアプローチとなります。

Wantedlyだけでは不十分な人（大手志向・年収アップ最優先）の特徴

Wantedlyの利用が最適ではない、あるいは Wantedlyだけに頼ってしまうと失敗しやすいユーザー層が明確に存在します。あなたが以下の特徴に当てはまる場合、必ず他のサービスを並行して利用してください。

Wantedlyが苦手とするユーザーの具体的な特徴

1. 年収アップが最大の転職目的である人：Wantedlyでは給与が非公開のため、年収交渉が選考の終盤になりがちです。明確な年収目標（例：現職から100万円アップなど）がある場合、最初から給与レンジを公開しているエージェントやサイトの方が効率的です。
2. 大手企業や伝統的な優良企業への転職を目指す人：Wantedlyの掲載企業の約80%はベンチャー・スタートアップです。大手の採用は総合転職サイトや、各業界に特化したエージェントが主流であり、Wantedlyで大手企業の求人を探すのは非常に非効率です。
3. 専門性の高いニッチな職種（例：経理・人事のスペシャリスト、工場技術者など）を求める人：Wantedlyの主要職種はIT・Web系に集中しています。専門性の高いバックオフィス系や製造業の職種は、専門特化型のエージェントを利用する方が、質の高い求人にアクセスできます。
4. 短期間（3ヶ月以内）での内定獲得を急ぐ人：前述の通り、Wantedlyはカジュアル面談を重ねるため期間が長期化しやすいです。スピードを重視する場合は、選考フローが確立されている転職エージェントの利用が不可欠です。

給与交渉に強い転職エージェントとWantedlyを使い分ける戦略

Wantedlyの「理念共感」というメリットと、転職エージェントの「条件交渉」というメリットを組み合わせることで、理想の仕事と最高の待遇の両方を追求する「ハイブリッド戦略」を構築できます。

併用戦略1：目的別によるツールの使い分け

併用戦略2：選考プロセスにおける役割分担の徹底

Wantedlyでカジュアル面談を行い、その企業への共感が深まったとしても、最終的な年収や労働条件の交渉はエージェントに任せるという分業体制を確立することが、あなたの負担を軽減し、交渉を有利に進める鍵となります。

1. Wantedlyで共感を深める：カジュアル面談を通じて、企業への志望度を固めます。
2. エージェントに相談・情報提供：「Wantedlyで話を聞きに行った結果、この企業への入社意欲が高まりました」とエージェントに伝えましょう。エージェントは、その企業の過去の採用事例や年収相場を知っているため、適切なアドバイスを提供できます。
3. エージェント経由で正式応募（可能であれば）：もしその企業がエージェントにも求人を出している場合、エージェント経由で再応募することで、年収交渉の窓口をプロに任せることができます。
4. 年収・条件交渉を委任：内定が出た際、エージェントがあなたの希望額や市場価値を基に、企業と適正な条件交渉を行います。あなたは感情的にならず、冷静に判断することに集中できます。

Wantedlyで「やりたいこと」を定め、他のサイトで「条件」を探す効果的な方法

最も生産性の高い併用方法は、転職活動の出発点としてWantedlyを活用し、そこで得た「気付き」を他のツールにフィードバックさせる情報の双方向活用です。

ステップ1：Wantedlyで「Why（動機）」を徹底的に言語化する

• カジュアル面談を軸にキャリアの棚卸し：興味を持った5社程度の企業とカジュアル面談を行います。面談を通じて、「自分は何に熱意を感じ、何に抵抗感があるのか」「どんな環境で最もパフォーマンスを発揮できるのか」という仕事の価値観（Will）を徹底的に言語化します。
• ペルソナシートの作成：「自分の理想の企業像（企業文化、仕事内容）」をWantedlyのストーリーを参考に詳細に記述します。これは、他の転職サイトで求人を検索する際の強力な検索軸となります。

ステップ2：言語化された「Why」を他のサイトの「How（条件）」に変換する

Wantedlyで「理念」や「環境」の軸が固まったら、その情報を具体的な条件（給与、勤務地、福利厚生など）に変換し、他の転職サイトやエージェントで絞り込みを行います。

1. キーワード検索の精度向上：Wantedlyで出会った企業の「独自の企業文化を示す言葉」や「募集記事のタイトル」を、他の総合転職サイトの検索窓に入れてみましょう。これにより、通常の条件検索では見つからない、近しいカルチャーを持つ企業がヒットする可能性が高まります。
2. エージェントへの明確な指示：「Wantedlyで〇〇社のような企業文化に共感しました。年収は△△万円が希望ですが、〇〇社のカルチャーに近しい、かつ年収条件を満たす企業を探してください」と、エージェントに具体的な指示を出します。
3. 年収情報の裏付け：Wantedlyの企業で得た業界の動向やポジションの情報を元に、エージェントに自分の希望年収が市場相場に見合っているかを確認してもらいましょう。これにより、交渉の根拠がより強固になります。

Wantedlyは、あなたのキャリアを「条件」から「動機」へとシフトさせるための羅針盤のようなものです。この羅針盤で方向を定め、給与や安定性に強い他のツールをエンジンとして使うことで、あなたの転職活動は格段に成功に近づくでしょう。

Wantedlyで成功する人と失敗する人の決定的な違い

Wantedlyのユーザーの評判が二極化する背景には、このプラットフォームが求める「共感」を軸とした転職活動への適性の違いがあります。Wantedlyは、あなたのキャリアにおける「理念」や「環境」を最優先する設計です。この特性を理解せず、従来の転職サイトと同じように「条件」から入ると、失敗や挫折につながりやすくなります。

このセクションでは、Wantedlyで内定を獲得し、入社後に活躍できる人と、時間ばかりを浪費し諦めてしまう人の「キャリアの軸」を比較し、サービスを真に活かすためのマインドセットを解説します。

Wantedlyが向いている人：キャリアの軸が「理念」や「環境」にある利用者

Wantedlyの仕組みと最も強く共鳴し、結果を出せるのは、「何をするか（What）」よりも「なぜそれをするか（Why）」や「誰とするか（Who）」を重要視する人です。彼らは、たとえ年収が一時的に横ばいでも、自己成長と仕事のやりがいを追求できる環境を求めます。

Wantedlyは、転職における「価値観」と「熱意」を試すリトマス試験紙のようなものです。この熱量が企業に伝われば、給与非公開という障壁は、「自分の市場価値と熱意で交渉する機会」へと変わります。

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Wantedlyが向いていない人：具体的な仕事内容や待遇から入る利用者

一方、Wantedlyで挫折したり、「時間がかかった」というネガティブな評判を持つユーザーは、このプラットフォームが重視する「動機（Why）」よりも「条件（How Much）」を優先してしまう傾向があります。彼らがWantedlyに費やした時間は、残念ながらその目的を達成するには非効率だったと言わざるを得ません。

Wantedlyは、あなたの「熱意」を企業に届け、共感から始まる採用を実現する場です。そのため、「給与の確認」を主目的としてしまうと、「企業理念への共感」という必須プロセスが欠落し、結果的に成功から遠ざかってしまいます。

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Wantedlyを卒業し、次のステップに進むべきタイミングと判断基準

Wantedlyは、永遠に使い続けるツールではありません。キャリアの軸や転職のフェーズによっては、他の転職サービスへと移行すべき「卒業のタイミング」が存在します。このタイミングを見誤ると、無駄な情報収集に時間を費やすことになります。

よくある質問（FAQ）

Wantedlyのデメリットや注意点は何ですか？

Wantedlyの最大のデメリットは、求人情報において給与や年収、具体的な福利厚生が原則として非公開である点です。このため、年収アップを最優先する方にとっては、選考の後半まで条件が分からず、時間的コストが無駄になるリスクがあります。また、企業理念を強く押し出すベンチャー・スタートアップが中心のため、一部で「やりがい搾取」ではないかという懸念が生じるケースもあります。
【回避策】年収の交渉は、カジュアル面談の終盤か本選考の1次面接終了後に行い、現職へのバレを防ぐために「企業ブロック機能」を徹底して活用することが重要です。（参考：「【重要】Wantedly利用時に発生しやすいトラブルと4つの注意点」）

Wantedlyで給料や福利厚生を確認できないのはなぜですか？

Wantedlyが給与や福利厚生を非公開にしているのは、このプラットフォームが「動機（Why）」ベースでのマッチング、すなわち「共感採用」を最優先しているからです。企業側は、求職者に「給与が高いから」ではなく、「この仕事、この企業で働きたいから」という内発的な動機でアプローチしてほしいという強い意図があります。これにより、企業と求職者がまず人間的な接点を持ち、理念への共感を深めることを重視しています。

Wantedlyで転職活動をするのは時間がかかりますか？

一般的な転職エージェント経由の活動と比較すると、Wantedlyでの転職活動は期間が長期化しやすい傾向があります。これは、本格的な選考に入る前に、現場の社員や事業責任者など複数の人とカジュアル面談（話を聞きに行く）を重ねるプロセスが多いためです。内定までの期間は、平均で4ヶ月以上かかる長期戦になることを覚悟する必要があります。
【対策】長期化を避けるためには、常に5〜8社程度と同時進行でカジュアル面談を進めることや、カジュアル面談が3回以上続いた場合は「本選考への移行を打診する」など、あなたの方から積極的なアクションを取ることが重要です。（参考：「応募から内定までの時間が長期化しやすい理由と対策」）

Wantedlyへの登録は現在の職場にバレる可能性はありますか？

WantedlyはビジネスSNSの側面を持つため、設定を怠ると現職の同僚や上司に転職活動がバレるリスクがあります。しかし、Wantedlyにはこのリスクを最小限に抑えるための「企業ブロック機能」が実装されています。この機能で、現在所属している企業の名称（親会社・グループ会社も含む）をブロックリストに登録することで、現職の社員があなたのプロフィールを閲覧したり、スカウトを送ったりすることを防げます。また、本名非公開設定にしておくことも有効です。最大限の注意を払い、設定を徹底しましょう。（参考：「現在の職場に転職活動がバレるリスクとその回避設定（企業ブロック機能）」）

まとめ